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和布の豆知識

素材による分類
染色製法による分類
作成方法による分類その1
作成方法による分類その2

素材による分類

日本の原料の天然繊維から区分してみます。

植物性繊維

  1. 麻類・・・・大麻(たいま)
  2. 苧麻(ちょま)
  3. 靭皮類(じんぴ)・・・藤=フジコ 葛(くず)=葛布(くずふ) 楮(こうぞ)=太布 科(しな)=科布(しなふ)
  4. 葉脈類・・・芭蕉(ばしょう)
  5. 種子類・・・木綿(もめん)
  6. 紙類・・・和紙=紙布(しふ)、紙子(かみこ)

動物性繊維

  1. 野蚕、家蚕=絹
  2. 家畜(羊類)=毛織物

大麻(たいま)

紀元前七世紀頃中国から日本へ伝わり、布だけでなく、麻の実は食料や飼料、薬、塗料のニスや石鹸の原料に使用されました。
栽培するにも布にするにも大変な労力が必要で、茎を蒸してやわらかくし、皮をむいて繊維と苧屑に分け、青苧から麻糸を作ります。
つらい女性の仕事であり、爪を使って細かく裂き、指で撚って(よって)口に含みながら湿り気を与えながら、繊維を結んでつなぎ、紡錘(つむ)で撚りをかけ、通常一反紡ぐのに、ベテランでも40日、通常100日かかったといわれます。
平機(ひらはた)で織られます。通気性、吸湿性、即乾性に優れた素材です。

苧麻(ちょま)

日本各地で栽培され、古い時代にもっとも一般的な布の原料です。
苧麻は大麻と同じ様に、栽培するにも布にするにも大変な労力が必要でした。

藤・葛(くず)

長く伸びる蔓(つる)の繊維が利用されたものです。
明治時代の半ばまで日本全国で布が作られていました。藤は、春に採取して皮を木槌で叩いてほぐし煮て、川の水に晒し(さらし)て粉ぬかと湯で練って糸を作られました。 
葛布(かっぷ)は、江戸時代から今の静岡県の遠州掛川の名産となっています。藤と同じ様に糸は作られました。

楮(こうぞ)

皮をむいて灰汁で煮て、繊維を取り出します。
紙の原料としてよく知られています。

科(しな)

科布は、佐渡では手ぬぐいに、岐阜では仕事着に、山形では普段着に、大分の一部では武士の裃に使われていました。
また、蓑(みの)、蚊帳(かや)、縄、魚網などの材料にも使われました。
6月頃採取された荒皮の内側の甘皮を、灰汁で煮て熱いうちに良く揉み、水で洗って薄く剥ぎ乾燥させたものを織って科布が作られます。

芭蕉(ばしょう)

イトバショウの葉の鞘(さや)や幹から竹バサミでしごいた繊維から作られます。
中心部の繊維は柔らかいのでそのまま、硬い外側は灰汁で煮て柔らかくして、爪の先で裂いてつなぎ、撚りをかけて糸にします。石鹸などを使って煮ることで白くし、植物染料で染められます。
芭蕉布の名は沖縄の織物として今も有名です。大変貴重で高価な布です。

木綿(もめん)

6千年前〜5千年前から栽培されていると言われ、原産地はインド、エジプトと言われています。
日本へは中国から輸入され、法隆寺伝来品もあり、宋時代には鎌倉時代の上流階級の人々用に輸入されていました、日本の一部で栽培が始まったのは、室町時代です。戦国時代には、三河、伊勢、松坂などの生産地から各地へ広がり栽培されるようになりました。
綿の実から種子をとった「繰綿(くりわた)」を綿打屋がときほぐして不純物を除き、繊維をやわらかくして方向を整えた「篠巻(しのまき)」綿に仕上げ、その篠巻を紡いだものが「綿糸」です。
木綿は、麻に比べて暖かく、肌ざわりも良く、栽培も紡績も織りも簡単です。有名な木綿は、三河木綿、河内木綿、知多木綿、泉州木綿、松坂木綿、播州木綿、紀州木綿、有松絞(ありまつしぼり)、栃木や千葉、山口の木綿縮(ちぢみ)などです。
木綿は、藍染木綿としても生活に密着した布になり、学生服の代名詞となっている小倉(こくら)、シャツの材料として天竺(てんじく)やキャラコ、ポプリン、ネル、絣などの綿布が、多彩となっています。肌触りが柔らかく、吸湿性に富み、水に強く、さらに洗濯に耐える丈夫さを備えた実用性に富む繊維です。

丈夫さ、暖かさ、軽さの特徴を生かし、衣服として使われる様になったのは平安時代からです。
楮(こうぞ)や三椏(みつまた)から作られます。「紙子(かみこ)」は、奉書などに柿渋(かきしぶ)やこんにゃく糊を引いて乾かし、軽く水を打って棒などに巻きつけて縮みじわをつけ、この作業を繰り返して作ります。
ふんわりとした風合いが特徴です。
今でも、東大寺二月堂のお水取りでは、僧たちは紙子を着ています。
「紙不(しふ)」は、丈夫な和紙を細く切って作ったこよりと絹糸や綿糸で織った布のことで、自家製の仕事着として用いられました。

絹(きぬ)

きものに使われる代表的な素材は絹です。
美しい光沢、軽く柔らかく滑らかな風合いを持ち、吸湿と放湿、保温性に優れています。
原料はカイコガの幼虫、カイコが吐き出した糸です。約三千年前の中央アジアから中国にかけて布を織るようになったのが始まりと言われています。
絹糸は、蚕(かいこ)の繭(まゆ)から直接糸を引き出す「生糸(きいと)」と、製糸の原料にできないような屑繭を綿状にした「真綿(まわた)」から紡ぎ出す「紬糸(つむぎいと)」があります。
日本最古の絹の遺物は、弥生時代前記の福岡県の有田遺跡から出土した平絹(ひらぎぬ)です。
平安初期は、上流階級の人々のもので、都の織部司(おりべのつかさ)や西陣で上質の絹織物が生産され、江戸中期には、関東の桐生(きりゅう)や足利(あしかが)、秩父、北陸の加賀、畿内の近江(おうみ)や丹後(たんご)などでも高品質なものが織られるようになりました。

>>染色製法による分類

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